自分でタイヤ交換する際の悩み! ナットの「締め具合」の判断と「やってはいけない」行為

締め付け時にやってはいけないことも多数!

 パンク時だけでなく、ローテーションしたり、夏タイヤとスタッドレスの履き替えなどで、ホイールの脱着はけっこうするもの。その際に気になるのが、ナットの締め付け具合だろう。基本は10kg-mで、最近はこれよりも小さくなる傾向にある。プロやDIY派のユーザーであれば締め付けるトルク(力)を管理できるトルクレンチという工具で正確に締めるが、たまにしかやらない程度だと用意するのも考えものだ。もちろんあればいいが、最近は安くなったとはいえ、財布への負担も大きい。

 まずやってはいけないのは、足でレンチを踏みつけて締めること。力がかかるのはいいが、最悪の場合、かかりすぎてネジが破損してしまいかねない。教習所で習う際に、緩めるときは踏んでもいいと教えることもあるので、その延長でやってしまうのだろうが、もちろんダメ。緩めるときも、レンチが真っ直ぐにかかっているかを確認してからやらないと、外れてナットを舐めることもあるので注意したい。

 それではどうすればいいのかというと、まずジャッキアップした状態でできるだけ締める。そうすることで、ホイールが取り付け面に密着して、ブレは最小限になる。適当にナットを付けて、ジャッキを下ろしてから本格的に締めると、ずれたままタイヤが接地するので、そのまま締め込んでもブレが生じやすい。フリーになっている状態でできるだけ締めて、そのうえでジャッキを下ろして、本締めをするのが基本だ。

 問題はその本締めだが、レンチに手でギュッと押す程度でOKで、順番は円で順番にではなく、対角で締めていくと均等にしまっていく。ひと通り締め終わっても、さらにもう一巡同じことをすると、より均等に締められるので必ずおこないたい。ナットを順番に締めていくと、力のかかり方が変化するので、最初に締めたところは実際はちゃんと奥まで締めこまれていないことがあるからだ。

 ただ、これだけでは締め具合が心配なのには変わりない。そこでおこなうのが100kmほど走ってからの点検と増し締めだ。もし最初の本締めが力不足で緩んでしまってもここでリカバーできるし、緩むといってもゆるゆるということはなく、少し緩んでいたということがほとんど。そこを増し締めしてやれば問題はクリアできる。

 100kmまでの間に緩む可能性があるが、ホイールがブレるほど緩むと、走行中に足もとからゴリゴリといったような回転とともに音がするので気がつくはず。もちろん心配なら100kmに到達する前に、点検と増し締めをすればいい。

 そもそも、ホイールナットの締め付けは締め過ぎていることがほとんどで、一般ユーザーがギュッと力を入れた程度がちょうどよかったりする。何度かおこなっていれば、この程度でも緩まずにしっかりと固定されているのだとわかってくるので、必要以上に心配になったり、不安になることはないだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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