ガチライバル車なのに売れ行きは明暗くっきり! 「ダブルスコア」どころじゃない差が付いたクルマ3組 (2/2ページ)

最新装備をそろえた切り札をもつモデルに人気が集まった

 次に、今では国産車として希少な存在となったミドルクラスのステーショナリーワゴンである。ワゴン専用車で見ると、2021年1月の新車販売台数はスバル・レヴォーグが14位の4692台で最上位。2月も20位ながら3677台を販売し、以前、国産ワゴン最上位につけている。

 一方で、マツダの旧姓アテンザワゴン、今ではマツダ6と呼ばれるステーションワゴンは、国産乗用車販売台数ランキングの50位にも入っていない。

 が、ここは比較的わかりやすい。マツダ6がMCで名称変更する前のアテンザワゴンは2012年11月のデビューであり、基本的には9年前のモデル。マツダが積極的に仕様変更を行っていても、やはり基本的な古さは隠せない。

 その点、日本カー・オブ・ザ・イヤー2020-2021を受賞した新型レヴォーグは2020年10月のデビューと新しく、乗り込んですぐに新しさを実感できる縦型で大型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを採用するとともに、アイサイトの最新進化版である、高度運転支援システムの、渋滞時ハンズオフドライブやカーブ&料金所前速度制御、車線変更アシストなどを行ってくれるアイサイトX、さらにスポーツワゴンとしての資質を大きく高めるSTIスポーツグレードまでを用意しているのだから、マツダのフラックシップワゴンとはいえ、アイサイトXのような切り札を持たないマツダ6が霞んで見えてしまうのは当然かもしれない。

 いや、今のマツダ車は、CX-30、ピュアEVもあるMX-30、そしてCX-3、CX-5、CX-8といったクロスオーバーSUV、SUVに人気が集中しているのが、マツダ6の販売台数を伸び悩ませる理由、とも言えそうだ。

 そのほかにも、各社のフラッグシップミニバンでは、トヨタ・アルファード(2021年2月の乗用車販売台数3位!!の1万107台)が圧勝。MCを行ったばかりのホンダ・オデッセイ(同38位、1583台)、日産エルグランド(同50位以下)の明暗が鮮明だ。こちらはアルファードのボックス型ならではの風格、フォーマル感、顔つきの立派さ、室内空間のゆとり、2列目席の豪華さ、助手席の秘書向け装備など、ライバルにない魅力が、VIPを含むユーザーにウケているということだろう。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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