初代ファンには受け入れられない! 姿もコンセプトも変わりすぎたクルマ3選 (2/2ページ)

業務提携によって復活した名車は超イメチェン!

2)トヨタRAV4

 初代RAV4は1994年に登場した。最初は3ドアハッチバックで、全長は3695mmと短い5ナンバー車だ。エンジンは直列4気筒2リッターで、運転感覚は軽快で楽しい。価格は標準仕様が189万8000円(4速AT)に抑えられ、当時は若年層のクルマ好きも多かったから売れ行きは好調だった。

 2代目は2000年に登場して3ナンバー車になった。車両の作りは初代の発展型だが、軽快感と個性が薄れている。

 3代目は2005年に発売され、北米仕様を強めたことで全幅は1800mmを超えた。外観は引き締まり感が乏しい。2007年にはRAV4をベースに全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)を伸ばした上級モデルのヴァンガードも加わり、RAV4は売れ行きを下げて2016年に国内販売を終了した。

 この後、SUVの人気が高まったこともあり、RAV4は2019年に改めて国内販売を再開した。人気の高いアドベンチャーは全長が4610mm、全幅は1865mmとワイドだ。ノーマルエンジンの排気量は2リッターだが、ボディは大幅に拡大されている。

 このほかCR-Vも、初代はコンパクトだったが、フルモデルチェンジの度に海外指向を強めてボディを大型化した。RAV4と同様、国内販売を一度終了した後で、現行型が復活している。

3)トヨタ・スープラ

 日本における初代スープラは1986年に発売された。エンジンは直列6気筒2リッター(シングルカムとツインカム)、2リッターツインターボ、3リッターターボを用意した。ボディはすべて全長が4620mm、全幅は1690mmとされ、運転のしやすいスポーツカーであった。

 2代目は1993年に発売され、全幅が1810mmのワイドな3ナンバー車になった。エンジンは直列6気筒3リッターのノーマルタイプとターボだ。ただし売れ行きは下がり、2002年に終了している。

 3代目の現行型は2019年に復活した。ただし基本的な設計と開発は、業務提携を結ぶBMWが担当した。プラットフォーム、エンジン、独特なATレバー、左手で操作する方向指示機までBMW・Z4と共通だ。生産はマグナ・シュタイヤー社に委託され、従来のスープラとはクルマ作りが異なる。トヨタ車とはいい難い面もある。

 従来型と違って後席は装着されず、乗車定員も2名だ。全長は4380mm、ホイールベースも2470mmと短いが、全幅は1865mmとワイドだ。そのために外観の見栄えも大きく変わった。従来型と現行型の間に、連続性はほとんどない。後輪駆動のスポーツカーという程度だ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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