セドグロの5速に驚いたがいまや10速も当たり前! ATがドンドン多段化するワケ (2/2ページ)

スポーティなクルマはステップレシオを小さくする傾向にある

 もっともあまりにクロスレシオだと、ATとはいえ変速がせわしなくなって落ち着かないし、ワイドレシオになるとスポーティな伸びの良さ、ドライバビリティの良さは失われてしまうのでその加減が難しい。

 この辺はメーカーの考え方が表れる部分で、多段AT=レシオカバレッジの拡大というのが基本だが、スポーティなクルマほど、多段ATでもレシオカバレッジを広げすぎずに、ステップレシオを小さくする傾向がある。

 また、シフトアップについては各社ともそれほど味付けに違いはないが、エンジンブレーキを使いたくてアクセルを戻したときに、シフトアップする、シフトダウンする、現状の段数をキープする、というプログラムの違いは結構大きい。

 ブレーキをかけて減速したときのシフトダウンのタイミングも大事で、これらがドライバーの感覚と一致しているATだと、とっても気持ちがいい走りになるので、そのセッティングのセンスが気になるところ。

 そしてギヤ数は多ければエライという単純なものではなく、あまり多すぎても自転車のロードバイクやクロスバイクの多段ギヤように、普段はあまり使わないギヤだって出てきてしまう……。

 そういう意味で、乗用車なら10速もあればもう十分なので、これからは、その10速をどう割り振って、いつ使うか、いつ変速させるかという、質の向上に各社力を注いでいく時期だろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報