クルマ好きは喜ぶけどよく考えると「誰が」買う? バカッ速エンジンを積んだ衝撃実用車たち (2/2ページ)

VG30を搭載する爆速ワンボックスを君は知っているか?

 この他、セダン系にも羊の皮を被った狼的なクルマは多数存在するが、それらの紹介はまた別の機会に譲るとして、かつてはステーションワゴン以上に商用車と混同される機会が多かった、ワンボックス界きっての羊の皮を被った狼的存在としてその名を残す、日産キャラバン/ホーミーの3.0GTを挙げておこう。

 キャラバンは1973年にデビューして現在で5代目となる日産ワンボックスの代名詞的存在。一方のホーミーは日産と合併前のプリンス自動車工業の自社開発車として1965年に登場したが、1973年に登場した初代キャラバンに合流するかたちで、以降バッジエンジニアリング車となり1994年まで生産された。3.0GTはキャラバンでは3代目、ホーミーでは4代目となるE24型(1986年登場)に1988年に追加されたグレードで、その車名通り、セドリックやグロリア、そのターボ版がフェアレディZにも搭載された当時最新鋭の3リッターV6、VG30E型エンジンが搭載されたのである。

 当時のキャラバンといえば、真っ白の商用グレードが黒煙をモクモク吐きながら、荷物満載でガラガラと走るイメージだったが、洒落た2トーンカラーをまとってVG30E特有のドロドロと低い排気音を奏でながら高速道路の追い越し車線をクルーズする3.0GTの姿は衝撃的であった。

 次いで登場したE25型、そして現行モデルであるE26型(NV350キャラバンに改名)は商用車路線を採ったため、プライベートユースの最高峰を狙ったGTのグレード名は消滅したが、あの一瞬後光が射したような高級ワンボックスの出現が忘れられない日産ファンも少なくないはずだ。


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