愛され続ける理由は「初代」にあった! 何代も続く「名家カー」のルーツを探る (2/3ページ)

唯一無二の悪路最強ミニバンは初代も最強だった!

 世界最強の多人数乗車、ミニバンと呼べるのが、三菱のデリカD:5だろう。2007年に登場し、何と最初のビッグマイナーチェンジはおよそ12年ぶりの2019年2月。しかし、中身はフルモデルチェンジに近いもので、ダイナミックシールド採用の顔つきは、これまた最強の迫力ある強面となり、パワーユニットはクリーンディーゼルに集約。内外装の質感、装備、先進運転支援機能、さらには、それまでの重々しいテイストから一転、素晴らしく軽快でスムーズかつ静かに、山道でもスイスイ走れるデリカD:5に生まれ変わったのである。もちろん、アウトランダー譲りの走破性は今でも第一級。世界最強の多人数乗車、ミニバンと呼べるゆえんである。

 そんなデリカD:5のルーツ、というか、デリカの車名を冠した乗用車の歴史は、1969年のデリカコーチ、そして1979年のデリカスターワゴンから始まるのだが、ミニバンとしてのデリカ、馴染みあるデリカと言えば、1994年に登場した、2代目パジェロをベースに、ビルトインラダーフレーム構造まで譲り受けた、オフロード上等!! のデリカ・スペースギア以降ではないだろうか。

 当時からパワーユニットはガソリンと、メインのディーゼルエンジンが基本で、ボディサイズは全長4685~5085×全幅1695×全高1960~2070mm、ホイールベース2800~3000mmというものだった。車体は長く、高いものの、幅が5ナンバーサイズを基本としているところに時代を感じさせる。そして2007年に、デリカD:5に受け継がれることになるのだが、三菱自慢のSUV、オールラウンダーモデル(パジェロやアウトランダー)をベースとした、タフでめっぽう悪路に強い多人数乗車である点は、昔も今も不変である。

 なお、現在のデリカD:5のボディサイズは全長4800×全幅1795×全高1875mm、ホイールベース2850mmで、過剰に大きくなることなく進化を続けている。世界的に見ても、唯一無比の孤高の存在である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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