ズボラ派は購入厳禁! 買ったあとが地獄の「洗車」が凄まじく面倒くさいクルマとは (2/2ページ)

マットカラーはかなり手間がかかる

 SUVではトヨタ・ランドクルーザーも、フロントまわりは横バーだらけ。悪路を走りまくったあとの洗車は、巨大なボディでもあり、大変だ。いずれにしても、グリルまわりは機械洗車をするにしても、機械洗車のスポンジブラシが奥まで届かないため、完全にきれいにはなりにくく、手洗いでのプレ洗車が不可欠となる。

 なお、筆者はそうしたボディ細部用に、さまざまなサイズ、用途のブラシを用意している。

 そんなボックス型ミニバンやスーパーハイト系軽自動車、背の高いSUV以上に洗車がやっかいなのが、密かに流行っているマットカラーのボディだ。クリア塗装が施されていないため、つや消しの精悍さが得られる反面、キズやシミが付着しやすく、コンパウンドなどの磨き材を使えないため、落とすことは不可能に近く、再塗装するしかないと言われている。しかも、ワックスを掛けると艶が出てしまうため、ワックスがけも不可とややこしい。

 もちろん手洗い洗車限定だが、自分で洗うにしても、水洗いが基本とされる。カーシャンプーはメーカーが推奨する中性のクリーナー成分なしのもの限定だ。クリーナー成分が入っていると、これまたマット塗装の大敵である艶が出てしまう可能性があるからだ。また、スポンジなどでゴシゴシこするのもNG。つや消し塗装部分が剥げて、ムラムラに艶が出てしまうこともあるからやっかい。マット塗装のボディを保護するには、高額になるが、難易度の高いマッド塗装専用コーティングを業者にしてもらうしかない。施工価格はMクラスで15万円~(新車時は多少、安い)だ。素人のコーティングは絶対避けるべきである。なお、マット塗装車は屋外駐車もボディに厳しい。屋内駐車場での保管が基本だろう。

 ボディ以外にも、洗車が凄まじく面倒くさくなる部分がある。それが、もっとも汚れが付着しやすいホイールだ。70年代、筆者はいすゞ117クーペにボラーニのワイヤーホイールを履いていたのだが、ワイヤーが何本もあって、奥行きもあり、洗車は大苦労。1本洗うのに15分以上はかけていた記憶がある(まだ洗車素人でもあったため)。

 現在、クラシックカー以外でワイヤーホイールを履いているクルマは皆無だと思うが、スポークホイールのスポークの数が多いクルマも同じようなホイール洗いの悩みを抱えることになる。

 スポークの数がめっちゃ多いのは、例えば、トヨタMIRAI Zグレードの20インチホイール、オーテックのセレナ用ホイール、メルセデスベンツEQAのアルミホイールなどである。言い方を変えれば、ホイールの奥の見える範囲が大きいほど、洗車のしやすいホイールということになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報