2作目は「失敗しがち」なジンクスを打ち破った! 初代を霞ませるレベルで売れた2代目クルマ4台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2代目が大ヒットしたクルマを紹介

■初代モデルは尖った性格をしているモデルが多かった

■今でも人気車種の一翼を担っているモデルがある

チェンジ精神旺盛な初代があったからこそ名車が生まれた

 新型車の初代ともなると開発陣は相当に熟慮を重ね、時代に相応しい渾身の1台を送り出してくるものだ。が、しかし、そんな偉大なる初代に続く2代目が、初代を超えるヒット作となった例もある。

 その好例の1台が、トヨタ・プリウスだ。初代は1997年、「21世紀に間に合いました」という感動的なキャッチフレーズでデビュー。世界初の量産ハイブリッド車として世界的な人気を博したことは記憶に新しい。特徴的な、いかにも空力性能が良さそうなフロントグリル、まだ珍しかったセンターメーター、軽量アルミホイールを履いていながらあえて空力に特化した樹脂製ホイールカバーを装着するなど、新しさ満点だった。

 そのスペックは1.5リッターで58~76馬力、10.4~11.2kgm、モーター41~45馬力、31.1~35.7kgm。当時の燃費計測方式である10-15モード燃費は28.0km/Lでスタートし、最終的には31.0km/Lを達成している。

 ただし、当時の1.5リッターガソリン車と走行性能は大きく変わらず、またトヨタ初の量産ハイブリッド車ということもあって割高(主にバッテリー価格)だったことや、ハイブリッド車に対する理解が世間にまだ浸透していなかったこともあって、年を重ねるほど、モデル末期になるほど売れ行きは低迷。歴史に残る1台ではあったものの、大ヒット作にはならなかったのも事実である。

 そんなプリウスの2代目は2003年に登場。海外での展開も重視し、ボディは3ナンバーサイズとなりホイールベースも拡大。HYBRID SYNERGY DRIVE(ハイブリッド・シナジー・ドライブ)を前面に打ち出した新型となった。とくにハイブリッド車の要となるモーター出力は68馬力、40.8kgmまで向上させ、走行性能は大きくレベルアップ。同時に10-15モード燃費は35.5km/Lまで引き上げられ、4人乗り以上の乗用車として世界最高燃費を誇ることになったのだ。

 エクステリア、インテリアデザインも洗練され、初代のようなハイブリッドスペシャル、燃費スペシャル的な雰囲気が薄れ、誰もが親しみやすい商品力を手に入れたため、空前の大ヒット作となった。2003年にはグッドデザイン賞にも輝いている。ハリウッドスター、タイタニックでもおなじみのレオナルド・ディカプリオの愛車(色違いで7台所有という噂も)としてニュースになったほどである。

 ちなみに、2003年当時のホンダのハイブリッドカー、インサイトは初代、ふたり乗りの2ドアクーペの時代であり、実用性という意味で太刀打ちできなかったのも事実であった(2/3代目も!?)。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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