新車価格の倍の1000万円オーバーもザラ! 第二世代スカイラインGT-Rはなぜそこまで人気なのか (2/2ページ)

圧倒的な速さでグループAレースをワンメイク化!

 グループAのレギュレーションを吟味した2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジン、ハンドリングと加速を両立するトルクスプリット4WDといったスカイラインGT-Rのメカニズムが生み出す速さは圧倒的で、グループAレースにおいて最強のパッケージとなっていった。

 あっという間にJTCの最高峰クラスはスカイラインGT-Rのワンメイクレース状態となり、同じスカイラインGT-Rの中で速さを競い合う状況になっていったのも、その圧倒的なパフォーマンスを実感させたものだ。

 そんなスカイラインGT-R速さの秘密は、やはり2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジンにある。「RB26DETT」という型式で知られる、このハイパフォーマンスエンジンは、カタログスペックこそ自主規制に合わせて280馬力だったが、500馬力オーバーを考慮した設計になっているともいわれた。実際、チューニングを施せば、たしかに500馬力を狙うことができるエンジンだった。

 500馬力オーバーのパワーユニットを積んでいるということは、2020年代のスーパースポーツと比しても同等のパフォーマンスが期待できるということである。つまり、第二世代スカイラインGT-Rについていえば、単に懐かしいスポーツカーというだけでなく、現在でも一線級の性能を持つ稀有なネオクラシックスポーツカーといえるのだ。

 当然ながらエンジンの基本設計は同じであっても、設計年次の違いからBNR32よりはBCNR33、BCNR33よりBNR34のほうがシャシー性能は高まっているといえる。その意味では第二世代の終着点といえるBNR34が最高の性能を持っている。そうしたこともあって、この3モデルの人気が揃って上がり続けているのだろう。

 なお、冒頭で国産スポーツモデルが世界レベルに到達したと書いた。実際、市販車を改造して行なわれていた当時のWRC(世界ラリー選手権)でもトヨタ・セリカ、三菱ランサーエボリューション、スバル・インプレッサが多くの勝利をあげるなど、グループA規格において国産車は大いに飛躍した印象がある。あらためて、そうした象徴となるのがスカイラインGT-Rであり、そうした背景も含めて、このモデルは伝説的存在になっているといえる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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