筆舌に尽くしがたい快感と音! 4気筒から12気筒まで人生一度は味わいたい傑作国産エンジン7選 (2/2ページ)

いまでも快音が楽しめる大排気量車が新車が買える!

V8代表

 V8エンジンと言えば、フェラーリF355のV8(5バルブ)が、パワー、フィーリング、そして何よりサウンドが飛び抜けてよかった。国産車で言えば、まず初代セルシオの1UZ-FE。4リッターNA、32バルブDOHCというスペックで、260馬力/36.0kg-mを発生。スポーツカー並の動力性能と、当時世界ナンバー1の静粛性を達成。いまなら平均価格100万円で手に入る。

 もうひとつは最新のレクサスIS500Fスポーツ パフォーマンスに搭載された2UR-GSE。5リッターNAのV8で、最高出力481馬力、最大トルク535Nm。トルクは全域で余裕があり、アクセルを踏み込めば、トップエンドまでぐいぐい力強さを増していく。

 回転数が上がるにつれ、エキゾーストは澄んでいき、なかなか魅力的なエンジンと評判だ(新車で850万円〜)。

直6代表

 二次振動のない完全バランスが味わえる直列6気筒。その代表は、なんといっても第二世代のスカイラインGT-Rの心臓、RB26DETTだ。このエンジンこそ、ガソリンエンジンが大手を振って走れるうちに乗っておきたいエンジン。燃費も悪いし、低速トルクも大きいとはいえないが、インターセプトポイントから、レブリミットの8000回転までの加速感とエキゾーストノートは、無比無類の存在。

 R35GT-RのエアフロやR35GT-Rのインジェクターでアップデートし、高効率の最新タービンに交換・チューニングされているRB26DETTも格別だ。

 ただし、第二世代のスカイラインGT-Rは、R32、R33、R34ともに、中古車相場が高騰中……。R32で700万円前後、R33で750万円前後、R34だと2000万円といったプライスがついている。

直4代表

 2リッター以下には直4の名機も多いが、ひとつ挙げるとするならホンダS2000のF20C。そのルーツはJTCCのレーシングエンジン、H22A改にあり、ほとんどレース用エンジンの発想で作られている。

 ロッカーアームはベアリング入りとなり、サイレントチェーンとギヤでカムを駆動。二分割ブロックでクランクの回転を支え、バルブスプリングはCARTのエンジンと同じ材質を使用。圧縮比は11.7を誇り、ピストンはホンダ初の鍛造ピストン。レッドゾーンは9000回転に設定され、ピストンスピードは25.3m/sとレーシングカー顔負けのスペック。

 VTECエンジンなので、高速域だけでなく中低速のドライバビリティも優れ、NAのスポーツエンジンとして歴史に残る傑作だ。ただS2000も価格高騰中の1台で、平均価格は約400万円。

RE(ロータリーエンジン)

 最後はロータリーエンジン。ロータリーエンジンの強味は非常にコンパクトで軽量なこと。フロントミッドシップにするのに最適で、ハンドリングのいいマシンが作りやすい。ピストンの上下運動がなく、ローターの回転運動だけなので、振動も最小限。なめらかさでいえば、2ローターでもレシプロのV8並み、3ローターならV12気筒に匹敵する。また、非常にパワフルで、アクセルレスポンスがいいのも特徴。

 エンジンの機構がレシプロエンジンとはまったく違うので、当然フィーリングも独特。そこは好き嫌いが分かれるところだが、10年前、2012年にマツダのRX-8が生産中止になってから姿を消し、当面復活の見込みもないので、入手できるいまのうちに体験しておきたい1台。

 RX-8の中古車は、いまならギリギリ100万円以下(95万円前後が相場)。FD3Sは驚くほど高値になってきているので、RX-8の価格が高騰する前に……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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