本音で語るマルとバツ! 2022年に登場した注目新車4台をズバリ評価してみた (2/2ページ)

見た目をあと一歩なんとかしてほしかった……!

ステップワゴンの○

 ノア&ヴォクシーのガチライバルとなるホンダ・ステップワゴンも6代目へと進化。全列、全席の乗り心地、ボックス型ミニバンの宿命と言えるこもり音の徹底排除による、速度を問わない車内の静かさ(FFに限るが)、クルマ酔いしにくいとされる後席の抜け感ある爽快視界など、クルマの基本性能は、現時点で判明していない新型セレナを別にすれば、クラストップレベルと言っていい。

 2列目席キャプテンシートを、4代目となる新型ノア&ヴォクシーとは反対に、中寄せスライドできるようにしたのも(先代はできなかった)、使い勝手面では大いなる進化と言える。

ステップワゴンの×

 しかし、意外に売れていない。その理由のひとつと思えるのが、初代回帰……と称されるエクステリアデザインの大人しさ。いかにもいい人的な、迫力、押し出し感に欠ける、ノア&ヴォクシーと正反対のキャラクターなのである。

 そして、このアウトドア、車中泊ブームの最中、先代にあったAC100V/1500Wコンセントのオプション設定を廃止したのも残念ポイント。理由は、先代のOP注文が少なかったから……ということだが、時代が違う。一大アウトドアブームのいまこそ、欲しい便利装備なのである。

bZ4Xの○と×

 2022年は日本の電気自動車元年とも言える1年。BEVとして日産アリア、サクラ、三菱ekクロスEV、スバル・ソルテラ、トヨタ bZ4Xなどが登場したが、個人的に残念だったのが、bZ4X。デザインや走り、一充電航続距離を含めた電気自動車としての資質は素晴らしいものだが、気になるのはその販売(利用)方法についてだ。

 アリアやソルテラと違い、サブスクのKINTOのみの展開で、KINTOの場合(全車)、「ペットの乗車禁止」という利用条件がつくのである。つまり、2頭の愛犬(ジャックラッセルとキャバリア)と暮らす筆者を含め、愛犬家が愛犬と乗るためのクルマ、BEVとしては選択できない。ちなみに、兄弟車のソルテラをサブスクで利用する場合、ゲージの利用など少し条件はあるが、家族の一員である愛犬を乗せることができる。

エクストレイルの○と×

 ちなみに、2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーでテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた日産エクストレイルは、上質で静かすぎる走行性能、先進機能、装備、荷物の積載性、走破性能、そしてドッグフレンドリーカーとしての資質など、もう文句なしの1台だった。

 愛犬を乗せてロングドライブもしたのだが、思わず「これ欲しい」と感じたほどだ。筆者が選考委員をしている「2022-2023わんダフルカー・オブ・ザ・イヤー」(レスポンス)、「ドッグフレンドリーカーアワード2022」(小学館@DIME)の受賞車でもあるのだ。ただし、個人的にはリヤビューが好きじゃない……。それ以外は完璧なのに……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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