偶然なのか本当に似せたのか? 言われるとソレにしか見えなくなる「動物っぽい」クルマ7台 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■動物に似ているクルマたちを紹介

■たまたま似てしまったものもあれば意図的に狙ったデザインもある

■生き物に似ているせいでファンじゃない人からは変な目で見られるモデルも……

あの生き物のそっくりさんカー大集合

プロダクトデザイナーは生物をモチーフにしがち!

 クルマに限らず、工業製品のなかには生物の身体や部位の特性をデザインに生かしている例が少なくありません。たとえば新幹線のノーズは空力性能を上げるためにカモノハシのくちばしを、あるいは競泳水着の表面は水の抵抗を軽減するためにサメの皮膚をモチーフにしています。クルマのデザインの場合は、はたしてどうなのでしょうか!?

可愛い生き物を真似れば、可愛い系クルマの出来上がり!

 先述の「新幹線のノーズ=カモノハシのくちばし」や「競泳水着=サメ肌」というのは、じつはバイオミメティクスデザインといいます。自然界の生物の形態や構造を観察し、それによって生じる機能を分析して模倣し、新しい技術の開発や物作りに活かす科学技術のことです。

 あのレオナルド・ダ・ヴィンチは鳥の飛翔を観察・分析することでパラグライダーやヘリコプターなどの飛行機体の設計をしましたし、ライト兄弟は飛んでいる鳩から飛行機の設計・製作のヒントを得たともいわれています。解析や製造の技術が大幅に進歩している現代においては、ますます工業製品に生物の特性が活かされています。クルマの流麗なフォルムは、空力性能を上げるために鳥や海洋母乳類の形態をモチーフにしているのは間違いないでしょう。

 ところが、なかには「これってカッコだけなんじゃないの!?」という例もあります。1989〜1990年の2年間だけ日産が製造・販売したフルゴネット型のライトバン、エスカルゴなんてその典型的な例といえるでしょう。当時のパルサーバンのプラットフォームを流用し、フロントルーフを丸くし、ヘッドライトを丸く飛び出させたデザインは、まさにエスカルゴ=カタツムリそのもの! 製造に手間とお金がかかり過ぎるためにすぐに生産中止されたあとで「可愛い♡」と世界中で人気爆発し、香港や台湾の富裕層(のお嬢様)が大金を払って個人輸入したという都市伝説もあります。

 世界が認める日本発の「可愛い♡」のなかでは、アニメのキャラクターを忘れてはいけません。そう! ポケモンのピカチュウなんて、老若男女を問わず、国籍を問わずみんなから「可愛い可愛い」と愛されています。そして、そんな愛くるしい生き物(生物じゃないか!?)にそっくりなのが、トヨタiQです。2008年にトヨタが「超高効率パッケージ」を謳った全長約3mの小型車は、1リッター直列3気筒エンジンと1.3リッター直列4気筒エンジンを搭載し、1km走行あたりCO2排気量が100gを切る(1リッター)というのがウリでした。

 でも、このiQを見た一般人はそんな特出した環境性能には目もくれず、ピカチュウにそっくりな特異なスタイリングにだけ注目したのでした。


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