最近流行のEVやHVのワンペダルドライブはありかなしか? 不要派はそもそものアクセルの踏み方に難あり! (2/2ページ)

ふんわりアクセルはガソリン車でも有効

 このアクセル操作方法を身に付けると、EVの電力消費を抑えるだけでなく、HVやエンジン車でも燃費を抑えることに役立つ。ちなみに私の経験では、旧型プリウス(3代目)に乗っていたとき、あえてシフトをDではなくBとすることで回生の働きを強め、EVのワンペダルのような運転を心掛けたところ、燃費が改善された。

 高速道路では、Dのほうが回生の働きが弱まるので、巡行しやすいことはあったが、高速道路を降りたらBに戻す運転を続けると、タイヤを冬用のスタッドレスタイヤへ変更しても、若干の燃費低下はあっても好燃費を実現できていた。そして、ガソリンを満タンにしてオンボードコンピュータに表示される走行可能距離は、1000km前後を常に維持できていた。

 ガソリン車では回生の活用はできないものの、アクセルペダルを穏やかに操作することで燃費改善の効果はあると思う。

 また、発進の際には、タイヤが1回転するくらいはクリープで動き出し、そのあとアクセルを踏んで加速するようにするだけでも燃費は改善されるだろう。EVであるか、HVか、あるいはエンジン車であるかを問わず、1.5トン前後もする重いクルマを止まっている状態から走り出させるためには大きな力がいる。そこで、いきなりアクセルペダルを強く踏み込んでは、損失のほうが多くなってしまう。瞬間燃費計を見ていると、軽自動車でさえ燃費が一桁台に落ちるほどだ。そこで、頭のなかでタイヤが1回転する様子を想像しながら、そのあとにアクセルペダルを踏み込みはじめる意識をもてば、無駄が減り、燃費向上につながると思う。

 クルマが動き出したあとは、交通状況にしたがって流れに乗れる加速をアクセルで調整すればよい。交通の流れを乱してまで、ふんわりアクセルに頑固にこだわるのは、逆に周囲からの反感を買いかねない。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

新着情報