注文したはいいけどクルマが届くのは1年後! モデルチェンジで「買ったとき」と違うクルマになる心配はないのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■納期遅延が長期化することで受注を停止する車種も増加した

■主にマイナーチェンジなどの変更を控えている車種がその対象になる

マツダはとくに改良を立て続けに行うので商品力を維持して好調な売れ行きを保てる

違うクルマになることってないの?

 最近は納期遅延が長期化して、受注を停止させる車種も増えた。わかりやすかったのがアルファードとヴェルファイアだ。2022年に入ると、新型コロナウイルスの影響により、先代型の納期が約1年に達した。そうなると2022年7月に受注した車両の納期は2023年7月だが、アルファードとヴェルファイアは、2023年6月に現行型へのフルモデルチェンジを控えていた。1年前の時点で新型の受注は行えない。

 そこで2022年6月に、先代型の受注を停止させ、それ以降は約1年間にわたって販売活動をしなかった。その後、2023年6月に現行型が発売され、受注を再開している。ただしそれも今は大半の販売会社で停止して、手に入れる方法はリースのKINTOだけだ。

トヨタ・アルファード(4代目)とヴェルファイア(3代目)の複数台並び

 このような受注停止は各メーカーに見られ、マイナーチェンジでも実施される。マイナーチェンジでも価格を変更するが、3カ月以上も前にはその金額が決まっていないことも多く、仕方なく受注を止める。フォレスターも2023年8月に実施された小規模改良のために、受注を一度停止させた。

スバル・フォレスター(5代目)のフロントスタイリング

 従って納期の長いクルマを契約して、納車を待つ間に大きな変更が加わり、価格が極端に高まったりフロントマスクが大きく変わることは考えにくい。受注が止まるからだ。仮にそうなった場合は、自分の注文した車両の生産スケジュールが決まる前なら、キャンセルを申し出られる。メーカーの都合で納期が遅れ、その結果、自分の好みに合わない車両に変わったら、社会通念上キャンセルが成立するからだ。

 ただし放置すると生産スケジュールが決まり、キャンセルがとおりにくくなる。従ってランドクルーザーのように長期の納車待ちをしているユーザーは、ときどきホームページなどで車両の内容や価格を確認して、変更がないかチェックしたい。仮に変更があったら、担当セールスマンに問い合わせる。

トヨタ・ランドクルーザー(300系)の走行写真

 ちなみに今のクルマは、以前に比べてフルモデルチェンジの周期が長い。昔はフルモデルチェンジを4年に1度実施して、その間にマイナーチェンジを挟んだが、今は短くても6年は作る。フルモデルチェンジの周期が10年近い車種もある。フルモデルチェンジには多額の開発費用が必要だが、今は4年に一度では、それに見合う生産/販売台数を達成しにくくなったからだ。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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