一強状態のアルファード&ヴェルファイアキラーとなるか? BYDの超高級ミニバン「DENZA D9」をアルヴェルと比べてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショー2023でBYDのミニバン「DENZA D9」が公開された

■ボルボからもEM90というミニバンが出ており世界中で高級ミニバンにブームの兆し

■海外のプレミアムミニバンは高額ゆえアルファード/ヴェルファイアが買い得に見える

中国の高級ミニバンはアルヴェルを超えるか

 2023年10月に東京ビッグサイトで開催された、東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショー2023の会場でひときわ盛り上がっていたのが、中国の自動車メーカー、BVDのブースだった。そこにはトヨタのアルファードと見間違えるような超高級ミニバン、BYDとメルセデス・ベンツの合弁会社が開発したハイエンドサブブランド「DENZA」のD9が堂々たる雄姿を見せていたのである。

 というように、トヨタのアルファードとライバル関係にもなりそうなD9は、2024年夏にも日本国内で販売される予定なのだから、アルファードとの違いが大いに気になるところ。

 まず、最新のアルファードというより、かつてあったノア&ヴォクシーの兄弟車、エスクァイアにも似た巨大なフロントグリルを持つD9のボディサイズだが、全長5250×全幅1960×全高1920mm、ホイールベース3110mmを誇る。これは現行アルファードの全長4995×全幅1850×全高1935mm、ホイールベース3000mmを、全高を除いて上まわるものだ。

 パワートレインにも違いがある。アルファードは現時点で2.5リッターエンジン+2モーターのおなじみのHVと2.5リッターエンジンのみのガソリン車(ヴェルファイアにはガソリンターボもある)の2種類。

 一方、D9はさすがEV先進国の中国ならではで、1.5リッター直噴ターボエンジン+モーター、EV航続可能距離190km(FF/AWDは180km。80kW急速充電対応)のPHEV、およびジャパンモビリティショー2023に展示されていた、フロントグリルがPHEVモデルとは異なるピュアEVの布陣で、EVは前後モーター駆動のAWDシステムを用い、システム最高出力275kWを誇る。満充電時の航続距離は500~600kmだ。

 このクラスのハイエンドミニバンで、顔つきとともに最重要ポイントとなるインテリア、パッケージもアルファードとD9は異なる。豪華な2列目キャプテンシートを奢っている点は両車共通だが、アルファードが現時点で3列、7人乗り(2-2-3)なのに対して、D9には3列7人乗りに加え、オットマンの装備はもちろん、後席用大型ディスプレイ、前後席パーテーション、冷蔵庫などまで装備する4人乗り仕様のD9 PREMIERグレードまで用意しているのだ。つまり、アルファードよりレクサスLMに近いキャラクター、仕様といえそうだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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