これからのモビリティのハズがたった3年半で消滅! トヨタC+Podが成功しなかった理由 (2/2ページ)

超小型モビリティよりも軽自動車が日本にはあっていた

どれくらい売れているの?

 ではC+podはどれくらい売れたのだろうか? 販売から約3年弱が経過した2023年11月時点での販売台数は約2000台だ。正直3年弱で約2000台という数字は売れているとはいえないだろう。

 また、法人と個人での販売比率を見てみると、法人が75%で個人が25%となっている。航続距離が短く、乗車定員なども限られているため、日中にいくつかの訪問先をまわるといったような、使用用途に変化が少ない法人のほうが使いやすいという側面があるのだろう。エネルギー効率として考えれば、少人数での個別移動のコストを下げたい法人には適したモビリティともいえる。

 反対に、個人ユーザーにとっては、航続距離や乗車定員などが限られているため融通が利かず、唐突に人を乗せたり、遠くまで行ったり、荷物を載せたり、といったようなもしもを考えると選択肢としては難しいのかもしれない。

 なお、個人ユーザーの内訳は、60代以上が7割を超える結果となった。見方を変えれば、60代以上は日ごろの足としてモビリティに求める要素が限定しているともいえる。

残念ながら生産終了の予定

 新しいカタチのモビリティとして登場したC+podであるが、非常にコンパクトなふたり乗りとある意味コンセプトが尖り過ぎていたのか、2024年夏ごろに生産終了となることが発表されている。

 航続距離などの問題ではなく、コンパクトで汎用性が低いのが理由ではないだろうか。軽自動車EVのサクラ&eKクロスEVがある程度の成功を納めていることを考えると、電気自動車のコンパクトモビリティとして市場が求めたベストなカタチは軽自動車であったといえるだろう。C+podはいささか小さすぎたのだ。

 電気自動車の普及とトレンドはまだ始まったばかり。今後はどのようなコンパクトモビリティが出てきてトレンドを作っていくのか? その点にも注目していきたい。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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