王者N-BOXの新型は先代に比べてちょっと割高感あり!? そこのところをライバル車と比べてみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■現行型N-BOXは国内のベストセラーだ

■現行N-BOXの販売は低調ではないものの車両価格の上昇により割高感がある

■そこでN-BOXのライバル車のなかでお買い得なクルマを考えた

新型N-BOXも販売トップに君臨するが、売れ行きが意外と多くない

 いまの国内市場では、ホンダ N-BOXがベストセラーだ。2023年も23万台以上を販売して国内販売の1位になった。しかし、じつは売れ行きが絶好調とはいい難い。現行型は2023年10月に発売されながら、同年11月の届け出台数を見ると、対前年比は121%であった。12月は117%、2024年1月は88%だ。つまり、11月と12月は20%前後増えたが、1月は新型車なのに12%減った。人気車のフルモデルチェンジとなれば、売れ行きが前年に比べて大幅に増えそうだが、N-BOXは大人しい。

 ちなみに先代型が2017年に発売された直後は、対前年比が120〜150%で推移していた。現行型に比べれば好調だが、車種によっては200%、つまり前年の2倍も売れることがある。そこも考えると、先代型に比べて大幅に低調ともいえない。

 この判断は難しい。なぜならN-BOXのような実用指向の車種は、フルモデルチェンジを行っても、ユーザーが急いで新型に乗り替えることはないからだ。その代わり車検期間が満了すれば、確実に新型を購入する。したがって発売当初の伸びは穏やかでも、1年を通じて見ると、結果的にベストセラーになることが多い。このようにN-BOXの販売は低調ではないという見方が成り立つ一方、新型は元気がないという意見がメーカーからも聞かれる。

 その根拠は価格だ。現行N-BOXで、価格がもっとも安いグレードは、標準ボディで164万8900円になる。先代型は標準ボディに装備のシンプルなGが用意され、この価格はモデル末期で146万8500円、売れ筋のLも159万9400円であった。

 現行型の標準ボディはサイド&カーテンエアバッグを標準装着するが、先代型はLでもオプションで、Gは非設定だ。装備の違いまで考えると、現行型が大幅に値上げされたとはいえないが、もっとも安価なグレードが140万円台と160万円台では第一印象が異なる。このような事情もあり、現行型に割高感が生じたことは否定できない。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
-

新着情報