ハッキリ言って販売台数は厳しい! それでも日産が次期フェアレディZを作るわけ (2/2ページ)

主戦場は引き続きアメリカになりそうだ

 Z存続について、日本でも長年にわたるZファンからの要望が数多くあるのはもちろんだが、要望数ではアメリカが日本に勝る。

 アメリカでのZ34販売台数を振り返ると、発売開始から8年間ほどは年間7000台レベルと着実に売れ続け、2016年以降になり5000台、4000台、3000台と段階的に台数は縮小し、2019年は2384台となった。直近の2020年(暦年)第一四半期は561台で、GT-Rの約10倍となっている。

 アメリカでは「Z(ジィ―)」と呼ばれるが、その人気の原点はやはり、初代Z(S30)の存在だろう。70年代のアメリカは、排気ガス対策やオイルショックによって、60年代までの、いわゆるマッスルカーが一斉に姿を消した。そのタイミングで登場した初代Zについて、当時を知るアメリカ人Zファンは「ヨーロピアンな雰囲気があり、さらに価格がじつにリーズナブル。売れて当然だった」と語る。

 時は流れて2010年代になり、今後はフォード「マスタング」、シボレー「カマロ」、ダッジ「チャレンジャー」などアメリカンマッスルカーで、原点回帰とパワートレインの大出力化が加速している。Z35としては、これらマッスルカーに真っ向勝負を挑むというより、初代Zが多くのアメリカ人を魅了したように、独創的な商品力をアピールする必要があると思う。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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