超人気なのに「売れない・買えない」! トヨタRAV4 PHVが「バッテリー不足」に陥ったワケ (1/2ページ)

キャパオーバーというより当初の目標数に達したことが原因か

 電動車両ファンが期待を込めて待っていたトヨタRAV4PHVが、6月の発売から3週間ほどで年内の予定販売台数を受注し、以後、当面注文を受けられない状況になった。理由は、トヨタとパナソニックが合弁会社として設立したプライムプラネットエナジー・アンド・ソリューションズの姫路工場で製造するリチウムイオンバッテリーが、年度内分の生産量に達したためとのことである。

 ただ、同社のリチウムイオンバッテリーの生産能力がそれしかないというわけではない。同社では、国内向けのほかに米国向けや、スズキへのOEM供給分もあり、なおかつ中国で発表されたレクサスUX300eのためのバッテリー生産も行っている。それらを含めた総数として、RAV4PHVの国内向けについては限度に達したということだろう。

 とはいえ、世界的に電動化が進められるなかで、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)という、リチウムイオンバッテリー搭載量の多い車種が今後の方向性となってきている折に、トヨタのリチウムイオンバッテリー生産計画が消極的であったといわざるを得ないのではないか。RAV4PHVの月販予定台数は300台で、6月からの年度内という9カ月分で試算すると2700台分でしかない。通常の量産市販車であれば、1カ月で売りたい台数だ。それでも、一般社団法人日本自動車販売協会連合会の乗用車ブランド通称名別順位の30位前後という控えめな数字である。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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