一番売れたのは「70年代」の「4代目」で13代目まで記録更新できず! それでもスカイラインが続くワケ (2/2ページ)

今でも日産を代表するスポーツカーの象徴という位置づけ

 4代目スカイラインが歴代でもっとも売れたということは、現在の13代目モデルに至るまで、その記録を更新できていないことになる。しかし、4代目の大ヒットによって圧倒的なブランド力を手にしたことで、スカイラインは生き延びることになる。

 そのブランド性には日産の未来も託された。2020年5月に日産が発表した2023年までの4か年計画では『C/Dセグメント、電気自動車、スポーツカーをグローバルなコアモデルセグメントとして集中投資する』と書かれているが、スポーツカーの例として挙げられていたのはGT-R、フェアレディZ、そしてスカイラインとなっていた。

 スカイラインというのは純粋な意味では日産プロパーのモデルではない。もともとは、日産に吸収合併されたプリンス自動車のブランドで、3代目から日産スカイラインとして販売されたという経緯がある。さらにいえば、スカイラインというのは実質的には国内専売ブランドという位置づけである。それでいて、いまや日産を代表するスポーツカーとして次世代を担うモデルになっているのだから驚きだ。

 それもこれも、1970年代に大ヒットしたことによってカリスマ的ブランド力を「スカイライン」という名前が得たからにほかならない。冒頭に記したクラウンも同様だが、車名がブランド力を持つということは奇跡のような出来事であり、大事に扱えば半永久的に、そのブランド価値は続くのだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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