トヨタ・ヤリスが月販1万台でも「微妙な空気」の販売現場! ヴィッツからの「車名変更」が落とす影 (2/2ページ)

親しまれた車名という安心感は販売面でも重要

 似たようなケースでは、2019年にマツダ・デミオが改良のタイミングでグローバル車名の“マツダ2”へ改名。初代デミオは1996年にデビューしているので、状況は今回のヤリスへの改名と似ている。

 ちなみにこのときフルモデルチェンジは行われていなかったので、同じ形でデミオとマツダ2が存在し市場はやや混乱した。さらに車名変更でデミオというモデルは絶版車となったので、リセールバリューの落ち込みも顕著となったとされている。

 長い期間同じ車名で販売していることを購入時に消費者が重要視するかといわれれば、それが購入する決断を大きく左右するともいえない。しかし、聞き慣れない車名に対し、“聞いたことがある車名”や、親戚や知人が乗っているクルマということに安心感を得るひとは多いようだ。商談時にも「ヴィッツの海外名に日本でもなりました」といちいち説明する必要もない。ただ歴代ヴィッツに乗っている人にとってみれば、自分の愛車が絶版となってしまうことに凹んでしまうひとも少なくない。

 “ヴィッツ時代より走りなどの基本性能が段違いに良い”と大きくイメージチェンジを図ろうとしたのかもしれないので、メーカーの判断を全否定するつもりはない。さらにわれわれが車名といっているものは、あくまで“通称名”であり、正式車名は型式番号になるので、メーカーにとってみれば、車名(通称名)変更は大したことではないのかもしれないが、販売現場では車名変更についてはたいしたことではないとは考えていないようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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