軟弱ターボだらけのいま「爆発的」な「ターボらしさ」が味わえる貴重なモデル5選 (1/2ページ)

モータースポーツで有利になるよう配慮された市販モデルも!

 ここ10年ほどで、ダウンサイジングターボの普及により輸入車を中心にターボ車が激増している。ダウンサイジングターボは、ターボの追加によって絶対的なパワーなどを手に入れて速さを追求することよりも、「気筒数や排気量に代表されるエンジンの小型化によるパワーダウンをターボで補い、燃費を向上させる」というコンセプトのため、排気量を増やしたような扱いやすい性格のものが多い。という背景もあり、現代のターボ車はいかにもターボ車らしい爆発力を持つものが減っているのだが、そのなかでもターボ車らしさが強いモデルを挙げていこう。

1)トヨタGRヤリス1.6リッターターボ+4WD系

 登場したばかりのGRヤリスはWRCをはじめとしたモータースポーツで有利に戦えるよう各所に配慮されたモデルで、1.6リッターターボ+4WD系は3気筒で272馬力&37.7kgmというエンジンを搭載。筆者はこのGRヤリスを購入し、もう1カ月ほど乗り慣らし運転も終わったところだが、リッターあたり170馬力というハイチューンエンジンながら、平坦な道であれば1500回転も回っていれば路上の流れに乗れるほどで扱いにくさはまったくない。

 しかしながら、このエンジンは3000回転から4000回転では6気筒エンジンを思い出させるような重厚なサウンドを奏でる。4000回転から7000回転のレッドゾーンに掛けてはマフラーから“シュオーン”という音を出しながら「炸裂」という言葉しか思い浮かばない迫力ある加速を味わえ、全長4m以下というボディの小ささもあり、じつに痛快だ。

2)ホンダ・シビックタイプR

 現在のシビックタイプRは「2リッターターボFF車ニュルブルクリンク最速」を目指したスポーツモデルである。そのためエンジンは2リッター4気筒ターボで320馬力&40.8kgmというものを搭載。そして2000回転以下の力強さは最近の2リッターターボとしては水準以下だ。しかし2500回転を超えると「そのままレッドゾーンまで一直線」という爆発的な加速を見せ、免許証が何枚あっても足りないくらいだ。

 またシビックタイプRは戦闘的なエクステリアとは対照的にしなやかなサスペンションを備えているところなど、乗ると大人びたクルマな点も大きな魅力なのだ。しかし、イギリスからの輸入車ということをはじめとしたいろいろな事情でマイナーチェンジされたばかりなのに、すでに新車の入手が困難になっている点は本当に残念だ。


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