SUVだらけと思ったらまだ「だらけ」じゃなかった! まだまだ終わらないSUV化の大波と「選び方」に注意が必要な現状 (2/2ページ)

クラウンまでもSUV化!? 今後のユーザーは何を求めるのか

 そんな、なんでもSUV、クロスオーバーモデルにしちゃえ!! という流れは、想定外の車種にも及び始めている。まぁ、クラウンのクロスオーバーが筆頭なのだが、そのほかにも、カーシェアサービス用の特装車ながら、アルファードを2列シート化し、SUV風のエクステリアを与えた、フォーマルな高級ミニバンにしてアウトドアに似合ってしまうゴツいアルファード=ポタリング仕様が登場しているし、e-POWERでおなじみのコンパクトカー、ノートにもオーテックからノートAUTECHクロスオーバーが加わり、この10月7日から発売されているのだ。

 その仕様はなんちゃってとは程遠く、最低地上高を25mmアップするとともにタイヤを大径化し、専用サスペンションを奢り、さらにクロスオーバー化のお約束と言える専用のフェンダーアーチプロテクター、サイドシルプロテクターなどを装着。ノートの温和なイメージを激変させている。2WDのほか、専門家にも絶賛される4WDも選べるから、カッコだけのクロスオーバーモデルとは一線を画すと考えられる。このノートAUTECHクロスオーバーは日産本体のモデルではないものの、その注目度、売れ行きによっては、新型アクアも先代同様、クロスオーバーモデルを追加する可能性大ではないだろうか。

 さらなる意外性あるクロスオーバーモデルといえば、スバルWRX S4の北米仕様にある黒い樹脂製のホイールアーチ、プロテクターを装着したモデル。ついに究極のドライビングプレジャーを発揮するスバルの走りの象徴、WRXにまで、クロスオーバーテイストの波が押し寄せたということになる!! もちろん、アウトドアやキャンプに使ってくださいね、というモデルでは決してないのだが……。

 いずれにしても、この先、びっくりするようなクロスオーバーモデル化の波が、世界的に押し寄せてくることは間違いなさそうである。本家SUV、クロスカントリー&クロスオーバーモデルもうかうかしていられないということだ。

 そうした、軽自動車、コンパクトカーからサルーン、スポーツカー、ミニバンに至る、これまでの常識を覆すSUVテイストに仕立てられたクルマが乱立するようになれば、ユーザー側としては、SUV、クロスオーバーモデルに何を求めるのか? の意識が、より強く求められることになるだろう。カッコだけで満足できるのか、高い走破性まで必要とするのか……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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