この安さは衝撃的! 日産サクラ&三菱ekクロスEVが日本の電気自動車市場を激変させる (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日産と三菱の共同プロジェクトにより新型のEV軽自動車が発売された

■軽EVというと三菱i-MiEVが思い出されるが当時とは技術も社会情勢も大きく異なる

■軽自動車のゲームチェンジャー、電気自動車の「革命児」になる可能性がある

話題の日産&三菱EV軽自動車が発売された

 いよいよ5月20日、日産、三菱の共同プロジェクトによる(三菱と日産の合弁会社NMKV)軽自動車の新型EVが発表された。日産はデイズにアリア顔を与えたようなクリーンなエクステリアデザインの「サクラ」、三菱はekクロスをベースにしたekクロスEVと名付けられている。日産の言葉を借りれば「新型軽EVは、”軽”の概念を覆すEVならではの力強い加速、滑らかな走り、そして高い静粛性を兼ね備えるモデル」となる。ボディサイズは全長3395mm、全幅1475mm、全高1655mm。つまり、全長と全幅は軽自動車枠なので変えようもないのだが、全高はたとえばデイズの1640mmに対して15mm高となる。

 そして気になるバッテリーの総電力量は20kWh。つまり、日産リーフの標準モデルの40kWhの半分。とはいえ、2017年にデビューした世界初の量産EV、初代リーフは24kWhだったのだ。そして、大いに気になるサクラ、ekクロスEVの1充電航続可能距離は、WLTCモードで最大180km。エアコンなどを使った実質走行距離は130km前後と予想でき、日常用、短距離の使用を前提とした”シティコミューターEV”というキャラクターになる。

 ここで、軽EVの歴史を振り返ってみると、まず思い出されるのが三菱i-MiEV(アイ・ミーブ)だ。2006年に発売された、プジョーやシトロエンにもOEM供給された量産電気自動車だった。リチウムイオンバッテリーの総電力量は10.5kWhおよび16kWh。発売当初の価格は約460万円(リース)。補助金を使っても約320万円という価格だった。2010年には個人向けにも販売が開始され、車両価格の値下げと補助金によって、実質取得価格は約284万円まで引き下げられている。

 が、当時はまだEVはかなり先進的な自動車であり、充電スポットも途上。航続距離も十二分とは言えず、新しモノ好きのユーザーはともかく、実用性という点では一般ユーザーには厳しいスペックだった。電気自動車を普及させる、ということにはならなかったのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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