デトロイトショーに出展した「アメ車以外」はトヨタ&スバルのみ! 日本人らしい「アメリカへの配慮」がみえる展示の中身 (2/2ページ)

やはりピックアップトラックの人気は健在

 新型クラウンより話題を集めていたのがフルサイズピックアップとなる新型タンドラ。2022年5月にフルモデルチェンジを行った新型が展示してあった。新型タンドラの最大の特徴は新世代ではV8エンジンの搭載がなくなり、3.5リッターV6となり、しかも3.5リッターV6ベースのハイブリッドユニットが用意されたこと。アメリカンブランドのフルサイズピックアップといえば、GM(ゼネラルモーターズ)や、ステランティスのラムブランドでは大排気量だけでなく、V8OHVエンジンを搭載する、まさに“アメリカの魂”が宿っていると言っていいモデルとなっている。

 昔タンドラについて事情通に話を聞くと、「ハードとしてはアメリカンブランド車より優れている面もあるが、“文化”という越えられない壁がある」といった話を聞いたことがある。今回はあえてV6のみとし、しかもハイブリッドユニットを用意して差別化をはかっているように見える。東西両沿岸部ならばそのコンセプトはスンナリ受け入れられるかもしれないが、内陸州ではあくまで筆者の私見だが、どこまで受け入れられるかは疑問が残るところだ。

 ほかにもフルサイズSUVとなる、新型セコイアのプロトタイプモデルが展示されていたり、そして意外というと失礼だがGR86には比較的若い世代の男性が注目していた。ブース全体も「Toyota in America」をテーマにして、トヨタがアメリカ国内で展開している、ケンタッキー、インディアナ、テキサス、ミシシッピ、アラバマの各州で製造されているそれぞれのモデルが、「インディアナ製です」といった形で紹介されており、アメリカ人のハートをつかむような演出が施されていた。

 スバルは既販車を中心に多くの展示車をブースに置いていた。デトロイトは冬が厳しい降雪地域なので、スバルは高性能AWDということで注目されているだけに、それだけで十分のようであった。BEV(バッテリー電気自動車)のソルテラが来場者の注目を浴びていた。

 とくにトヨタは、よく見ると充実した展示内容なのだが、それを強調していないのは、アメリカンブランドへの配慮だったのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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