人気車種が続々登場! でも納期遅延も凄まじい! それでも欲しい「トヨタ車」を賢く買う方法 (2/2ページ)

車検のタイミングで乗り換えるという手段は今は難しい

個人カーリースのKINTOなら納車も早い!

 トヨタの個人向けカーリースとなる“KINTO”は、申し込みをWEBサイトへの入力で行う。そのなかで、当該車両の引き取り場所およびメンテナンスをしてほしい自宅最寄りなどの店舗を申し込み者が指定することになる。

 販売店のスタッフに話を聞くと、購入者に指定された店舗は、KINTOからの発注として注文書を作成。あとは一般の購入者からの受注と同じ形でメーカーへ発注するそうだ。そして申し込み者から新規登録に必要な書類を回収し、新規登録の代行業務も行うとのこと。「クルマをお引渡しするまで、ユーザーとお会いすることはない」との販売現場の声もあるが、その後のメンテナンスなどで来店した際に話をしているうちに、「次の新車はディーラーで……」となることもあるので、販売店側にメリットがないとも言い切れないようだ。

 また、詳しい理由は教えてくれなかったものの、「KINTOを利用すると納車が早まる」という話を複数から聞いている。納車を早める手段のひとつとしては有効なようだ。

ハイブリッドよりも納期の早いガソリン車を選択すべき?

 トヨタでとくに納期遅延が深刻なのはハイブリッド車だ。そこで注目されるのが、同型車でのガソリン車。

 ハイブリッド車では納期未定となっている車種でもガソリン車は納期の目安が示されていたり、またハイブリッド車の納期よりもガソリン車のほうが数カ月ほど納期は短くなる車種などもあるが、納期に差がない車種もあるので、ハイブリッドが欲しかったのに納期を意識してガソリン車にするというところまでは納期短縮のメリットはないように思える。車両電動化が進むいまの世の中では、ハイブリッドのほうがリセールバリューは期待できるので、現状の納期差であれば安易にガソリン車へ流れることはあまりおすすめできない。あくまで状況次第で判断をしてほしい。

いまどき気になる車両価格の値上げ

 昨今は食品をはじめ、あらゆる生活必需品が値上げラッシュとなっている。新車に関しても、輸入車では“価格改定”として値上げのみを実施するブランドもあるが、国内メーカーではいまのところ単純な値上げの実施はない。ただし一部改良やモデルチェンジなどの際には、これまでも価格アップが行われてきているので、このタイミングでの改良やモデルチェンジ実施後の車両価格は気になるところ。

 ただ2022年8月23日に発売された新型シエンタでは「先代からの価格上昇はそれほどでもなかった」との声がある。一方でRAV4は改良前が277万4000円~539万円で、2022年10月の改良後が293万8000円~563万3000円と約20万円の価格上昇が見られる。ただ改良による変更を伴っているので、単純に従来との価格差だけを見て、コストパフォーマンスを判断するのは難しい。メカニズムの変更や装備の追加などをセールススタッフから説明などを受け、あくまで購入者個々でその損得を判断していくしかないようだ。

全車種扱いによる影響は?

 現状では販売チャネルに関係なく、どの店舗でもすべてのトヨタ車を買うことができる。しかし、かつてはアルファード=トヨペット店など、専売モデルが存在していた。そのトヨペット店で以前、「過去に専売だったので、車両の割り当てなどでは他店よりは有利です」といった話を聞いたことがある。一方でシエンタは過去にカローラ店専売だったが、「新規取り扱い店との差はないです」との話も聞いている。

 車種によって事情は異なるようだが、店舗によって多少は得意なモデルと不得意なモデルが存在しているようなので、とくに過去に専売車種だったモデルは、元専売店はどこだったかを重視。たとえばアルファードならトヨペット店をメインに、それ以外(トヨタ店/カローラ店/ネッツ店)の店舗と値引き額を競わせるのがいい。その際は値引きだけではなく、納期などについても比較検討するようにしてもらいたい。

まとめ

 販売現場からは、納期遅延の影響によって「2年ほど余裕がないと、安心して新車を納車することができない」との話も聞いている。つまり継続車検を受けた段階で新車の乗り換えの検討を始めることが、納期遅延問題に巻き込まれにくい方策だと言えよう。

 メーカーの力だけでは納期遅延の改善はなかなか厳しい。またウクライナ情勢をはじめ、今後何が起こってもおかしくない現状では、新たな納期遅延要因が発生するリスクもある。しかし気になっていたモデルで、メディアなどに新型車の情報などが出た段階でセールススタッフに接触して購入意思を伝えておけば、その後は発売時期などの情報がアップデートされるたびに連絡がくるだろう。まずはディーラーにて購入意思を示し、納車の優先順位を少しでも上げることが大切である。

 また値引きについて、筆者の見たてではあるが、価格上昇を抑え気味にしていることにより、車両本体価格からの値引きは引き締められる傾向にあるようだ。ただ現状、中古車価格は底上げ状況が続いているので、値引きが厳しい分、下取り査定額の上乗せなどを狙ってもらいたい。

※本記事は雑誌CARトップの記事を再構成して掲載しております


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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