中国製BEVの進出にEUが排除ともとれる動き! 日本メーカーの静観は賢い選択 (2/2ページ)

中国製EVに対するEUの考えとは

 BEVではないが、似たような話でEU域内では使い捨て可能なプラスチック系包装材への規制に絡み、現地での瓶や缶の再利用が義務付けられることになった。当初ワインや蒸留酒は除外とされたが、日本から輸出され販売されている日本酒はその対象とされた。そうなれば輸出できなくなるとも報道され、さも「日本酒狙い撃ち」のような印象も受けたが、今では「日本酒も除外されるのではないか?」との話が出てきている。

 これも、そんな気がなくてもヨーロッパで人気の高い日本酒を排除しようとする動きのようにも見えてしまう。大げさにいえば、人や物の往来を活発にさせるためにできたEUがいまや、自分たちのため、そして自分たちを守るために「規制するための巨大な組織」になってしまったようにも見えてしまう。

 みんなが通ってきた道といえば簡単だが、かつて日本車もアメリカで地元の自動車関連従業員にハンマーでボゴボゴにされたりした。そして、「そんな安い価格でこんな優れた自動車が作れるわけがない」ともいわれた。今回のEUによる中国政府と中国のBEVメーカーの関係についての査察の真偽はわからないが、仮に日本メーカーが良質で安価なBEVを欧州で発売し人気を得ていれば、似たようなクレームがきたのではないかと感じている。

 ICE(内燃機関)車とは異なり、BEVの普及は各方面の思惑が絡んでいると筆者は感じている。欧州も中国もBEVで覇権を握りたいというのは共通認識のようにも見える。その意味ではいろいろいわれているが、日本メーカーの静観ともいえる現状は賢い選択なのかもしれない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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