「究極のエコカー」は市販されているのに普及せず! 国の本気度が見えない「水素燃料電池車」の行方 (2/2ページ)

究極のエコカー普及の道筋はいまだ見えてこない

 そして、2022年、久しぶりに新規の燃料電池車として日本市場に登場するのが、ヒョンデ「NEXO(ネッソ)」だ。これにより、一般ユーザーが購入できる新車の燃料電池車は2代目「MIRAI」と「NEXO」の2モデルとなっている。

 では、なぜ燃料電池車は普及しないのか?

 長年に渡り、燃料電池車に関する取材をしてきた者としていえるのは、国全体としての普及方法が中途半端だからだと思う。実際、2021年には国の有識者会議で、普及に対する目標設定とその実績に対する効果の測定が不十分であり、普及戦略を根本的に見直す必要があるとの提言がなされている。

 国が2021年8月に公開したデータでは、日本での燃料電池車の保有台数は約6000台。一方で、水素ステーション数は2021年8月8日時点で、全国に154カ所あり、そのほか12カ所で整備中だとした。

 いま、世の中は欧州での『グリーンディール政策』が基軸となり、グローバルで急激なBEVシフトが起ころうとしている。これに関連するかたちで、日本でも『2050年カーボンニュートラルを伴うグリーン成長戦略』が公表され、BEVや燃料電池車のさらなる普及に積極的な姿勢を示すとしている。

 はたして究極のエコカー、燃料電池車はこれからどのように普及していくのか? 明確な道筋は、まだ見えてこない。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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