赤黒ボディを見ただけでクルマ好きは血の温度が一度上がる! 「ADVAN」カラーが脳裏に焼き付いているレースマシンたち (2/2ページ)

新旧ドリキンコンビのGT-Rはいまだ人気が高い

ローラT88S “マッドハウス・スペシャル”

 当時、国内でもっとも人気のあるレースカテゴリーだった富士GC(グラチャン)シリーズにもADVANは参戦。

 1988年、富士グランチャンピオン・シリーズ第3戦で、和田孝夫がドライブするADVANカラーのローラT88が初優勝。ボディカウルはマッドハウスのマッド杉山の手によるスペシャルカウルで、富士のストレートが伸びる仕様。和田のADVANローラは、唯一320km/hを記録したと言われている。

ポルシェ956/962C

 横浜ゴムは1983年からグループCにも参戦。初年度は最終戦のWEC JAPANのみの参戦で、翌1984年から「ADVANアルファポルシェ」で参戦。エースは髙橋国光で、8シーズン、40戦10勝。1985~1987年まで3年連続チャンピオン。そして1989年にも全日本耐久チャンピオンに輝いている。

 この時代、ADVAN+ポルシェ+髙橋国光の組み合わせは、「耐久王」と呼ぶにふさわしい存在で、国光=ミスターADVANのイメージも定着する。

スカイラインGT-R

 ADVANカラーの本命中の本命といえるのは、グループA時代に新旧ドリキンコンビでファンを熱狂させたR32GT-R。グループAでは1985年にもAE86でアドバンレビンがチャンピオン(クラス3)を獲得し、AE92、AE101でも、ライバルシビック勢と熾烈な争いを繰り広げたが、1991年から土屋圭市・高橋健二がコンビを組んでGT-Rでクラス1に参戦。

 翌1992年から、髙橋国光・土屋圭市がADVANカラーのSTPタイサンGT-Rのステアリングを握り、順位に関係なく、すべてのコーナーで全力を尽くす熱い走りでファンを魅了。1992年の第3戦で、国光・土屋コンビで初めての表彰台(3位)にのぼり、1993年のオートポリスで悲願の初優勝! チャンピオンは獲得できなかったが、グループAスカイラインの中でも、ADVANカラーのSTPタイサンGT-Rの人気度はつねにトップだったといっても過言ではない。

 他にもF3000のマシンやラリーカー、JTCCのチャイサーやJGTCのNSXやポルシェ911、フェラーリF40なども忘れられないADVANカラーのマシンたちだ。

 40年以上も変わらないADVANカラー。モータースポーツファンならそれぞれ思い入れのあるADVANカラーのマシンが一台以上はあるはず。そしてこれからもきっと……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
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好きな有名人
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