カローラの天下だったタイのタクシーにまさかの刺客! 中国の「GAC」製BEVタクシーが超激安で登場した (2/2ページ)

カローラアルティスの未来が危うい!

 現地の報道によると、タイでは毎年6000台のタクシー車両の入れ換えが行われており、今後はCO2排出量を削減するために、入れ換える車両はBEVとなる予定とのことで、AION ESタクシーもその需要を狙っているのは間違いない。従来のタイのタクシーは天然ガスを燃料としており、トランクに燃料タンクを搭載しているのでトランクの積載性能に難があったのだが、BEVを導入すれば解決する。

 バンコク市内では、コロナ禍前より中国BYD(比亜迪汽車)のフリート販売専用ともいえる「e6」というBEVをベースとしたタクシーが走っており、今回、筆者はそのe6の新型をベースとしたタクシー車両をバンコク市内で目撃している。BEVタクシーに切り換えるとしても、AION ESだけとはならないかもしれないが、いずれも中国系ブランドのBEVが、今後バンコク市内ではカローラアルティスの代わりに走ることになりそうである。

「トヨタもこの動きを静観しているわけではなく動いている」との情報もあるが、残念ながら現状では実際に見えるものは中国系ブランドの車両ばかりである。

 さらに気になるのはAION ESの価格で、1台85万バーツ(約345万円)からとなっている。カローラアルティスのタクシーベース車の価格は不明だが、一般向けの廉価グレードとなる1.6Gの価格は89.4万バーツ(約363万円)となっているので、BEVにありがちな同クラスICE車との比較での“割高イメージ”はほとんどなさそうである。

 バンコク市内では、ここ1~2年以内でエアコン付きバスのほとんどがBEV路線バスとなった。「次はタクシーだなぁ」と考えていたら、今回ショー会場でカローラアルティスのタクシー仕様車の刺客を見るとは夢にも思わなかった。

 2024年8月から導入されるのではないかとの情報もある。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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