半年待ちもザラ! トヨタの人気車が「納期遅延だらけ」でも不満が出ない理由 (2/2ページ)

乗り換え前の車検切れや残価設定ローン車への工夫もされている

 あるトヨタ系ディーラーセールスマンに話を聞くと、「トヨタ車に長く乗られているお客様のなかには、納期遅延ありきで新車購入を進められる人も多いです。たとえば、いまは納期遅延が解消されているアルファードですが、ヴェルファイアとともに納期半年というのが恒常的だった時期があります。

 そこで、あらかじめ新車に乗り始めたい時期から、半年を逆算して、余裕を持って新車をご注文されるお客様も結構おられました」とのこと。また、売る側も納期トラブルを避けるために“売り込むタイミング”を見計らっているとのこと。「大昔には、車検有効期限まで1カ月といった下取り車でディーラーに乗り付けると、“ホット客”となり大幅値引きも出やすいとされていましたが、いまは最低でも車検有効期限切れまで半年を切らない状態が“ホット客”となります。われわれも次回車検まで半年後ほどのお客様をターゲットカスタマーとして販売促進活動を行います」(前出セールスマン)。

 前出の話は、既納客(自分で販売して乗ってもらっているお客)のケースであるが、一見、つまりフリー来店客の場合はどうするのだろうか?

「たとえば、購入希望車種の納期が遅延気味となり、その間に下取り車の車検有効期限切れがきてしまうとします。こうなると『車検がきちゃうならなあ』と、購入を諦められるお客様も出てきます。そこで弊社では、とりあえず10万円にて弊社で車検を通してもらいます。ただし、1年以内に弊社で新車をご購入していただければ、その10万円はお返しすることとなっております」と話してくれた。

 納期については、当初の説明より遅れればトラブルとなるが、当初納期より早まればトラブルにならないといわれている。トヨタ以外でも、当初「納車は半年先」としても、たいていは早まるのが一般的。ただ、半導体問題が納期に絡む現状では、残念ながら納期は延びる傾向にあるが、契約時にその旨を説明し、契約後も売りっぱなしではなく、細かくコミュニケーションをお客ととって情報提供していれば、トラブルになることはまずない。

 30年ほど前、初代セルシオがデビューすると、たちまち膨大なバックオーダーを抱え、長期の納期遅延となった。納車を待てないひとの一部はアメリカから個人輸入された、レクサスLS400を業者から購入したりしていた。その当時、セルシオの納車を心待ちにするお客の元に、特別なかなり分厚いカタログというか、写真集のようなものが送られてきた。

 トヨタに限らず、契約後に納車待ちをしているお客へのホスピタリティさえしっかりしていれば、お客も納得して契約しているのだからトラブルになることはほとんどないものと考えている。

 ちなみに、納期遅延が深刻なモデルについて残価設定ローンを利用して購入した場合は、ローンの支払いが先行してしまうのかという不安を持つひともいるかもしれないが、ディーラーローンは、新規登録手続き(ナンバープレートがつく)完了翌月から支払いが発生することになるし、下取り査定については、納期遅延車が購入対象の場合は、その旨を査定のチェックシートに記して、ディーラーの査定部門に送ることで、納車予定時期の相場を想定した査定額を算出したり(だいたい甘い値付けになる)、ディーラー個々で工夫が凝らされている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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